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米クライスラーが破産法11条適用申請、伊フィアットと提携[オートトレーディングルフトジャパン㈱ AT-1旭川神居店 社長のブログ]

投稿日時:2009/05/02(土) 21:15

http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR200905010049.html

米自動車大手クライスラーは30日、債務再編をめぐる協議が失敗に終わったことを受け、ニューヨーク州で連邦破産法11条の適用を申請した。


 また、伊フィアットとの提携も発表した。


 オバマ米大統領はこれについて、クライスラーの3万人の雇用と関連サプライヤーおよびディーラーの数十万の雇用を救う上で重要な意味を持つステップだとし、歓迎する意向を示した。

 

 フィアットはクライスラーの株式20%を取得した。政府資金返済後に過半数株式を保有する可能性がある。


 連邦破産法11条の適用はマンハッタンの破産裁判所に申請された。

 

 米政府はこれを受け、最大35億ドルのDIPファイナンス(事業再生融資)と最大45億ドルのエグジットファイナンス(出口融資)を提供する。破産法の適用期間は30―60日としている。


 クライスラーの3600にのぼる米国内ディーラーの一部は閉鎖する見通し。クライスラー・フィナンシャルは、新車とトラック向けローンの提供をやめ、代わりにゼネラル・モーターズ(GM)の金融子会社GMACがクライスラーのディーラーにローンを提供する。


 クライスラーのナルデリ最高経営責任者(CEO)は、クライスラーが破産から脱却し、フィアットとの提携が完了した後に退任する。


 新会社の取締役については、米政府が6人を指名、フィアットが3人を指名する。

 クライスラーは、メキシコやカナダ、他の海外業務は破産法適用申請の対象外としている。

 また、リストラの一環として、5月4日から大部分の製造業務を一時停止すると発表した。


 カナダ政府は、クライスラーに対し24億2000万ドルの融資を実施するとともに、同社株の2%を取得する方針。


 複数の政府関係者が30日明らかにした。

 カナダのハーパー首相は「完璧な解決策ではないが、クライスラーの存続を確実にするものだ。クライスラーは将来、景気後退(リセッション)の脱却に伴い、カナダが必要とする存続可能な自動車セクターの一角を占めることになるだろう」と発言。

 

 カナダと米国の自動車産業は運命共同体だとの認識も示した。

 

 会見に同席したオンタリオ州のマッギンティ首相は、同社のカナダ国内の雇用を維持できるかどうは今後の業績次第で、保証はできないと発言。「できることはすべてやった」と述べた。


 クライスラーは現在、カナダ国内で9000人を雇用している。うち労組組合員は8400人。カナダ国内の工場はすべてオンタリオ州にある。


 米GMACフィナンシャル・サービスは30日、クライスラーのディーラーと顧客に自動車ローンを提供することで合意したと発表した。GMACは同時に政府から資本注入を受ける。


 GMACはゼネラル・モーターズ(GM)向けに自動車ローンを提供している。GMACのアルバロ・デ・モリナ最高経営責任者(CEO)は声明で、今回の合意は自動車金融事業の多様化につながると述べた。

 これを受けてGMACの保証コストは大幅に低下した。フェニックス・パートナーズによると、GMACのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は、一括前払いで保証債務の19%プラス年間で500ベーシスポイント(bp)の支払いとなった。


発表前は26%プラス年間500bpだった。

 裁判所の書記官が明らかにしたところによると、クライスラーに関する審理は、米東部夏時間5月1日午前に行われる予定。


 また、申請書類によると、上位無担保債権者にはオハイオ・モジュール・マニュファクチャリング、BBDOデトロイト、ジョンソン・コントロールズ・コンチネンタル・オートモーティブ、クミンズ・エンジンが含まれる。

 クライスラーは、裁判所に提出した文書で、大口有担保債権者に米財務省やJPモルガン・チェースが含まれていることを明らかにした。


 有担保債権額は米財務省が45億5000万ドル、JPモルガンが16億1000万ドル、チェース・リンカーン・ホスト・バンクが10億3000万ドル、モルガン・スタンレーが9億7950万ドル、シティバンクが9億1860万ドル。


 2008年12月31日時点のクライスラーの資産総額は393億3600万ドル負債総額は552億3300万ドル。

 破産法の適用申請後30日間のキャッシュ損失はネットで21億2100万ドルとなる見通し。

 生産休止期間の終了後に素早く業務を再開するため、一部の部品倉庫業務や設備のメンテナンスは継続する。


 またクライスラーの裁判所提出文書によると、破産法の適用申請に伴う生産休止期間中は、来年の新モデルの開発作業もすべて停止する。


 販売店の交換部品の在庫が4週間で底をつく可能性があるとの見通しも示した。

 部品メーカーについては、3月時点で財務上のリスクの高い企業が全体の13.5%を占め、生産休止期間が長引けば「大量の部品メーカーが清算に追い込まれる」と指摘した。


 また、過去に進めていたGMとの合併交渉については、2008年6月に交渉を開始したと表明。

 日産自動車<7201.T>との提携拡大交渉を2008年2月に開始したことも明らかにした。


 クライスラーは、2008年10月29日にGMの資産査定を開始、2008年11月3日に査定を打ち切った。


 2008年6月には、韓国の現代・起亜自動車とも小型車の戦略的提携について協議したが、起亜は2008年9月にクライスラーとの提携を拒否した。


 クライスラーは、ロシアのGAZグループ、カナダのマグナ・インターナショナルとも提携交渉を行っていたことを明らかにした。


 日産との提携協議は、GMの協議と平行して進めていたという。

 オバマ政権幹部は30日、米政府のクライスラーへの約40億ドルの融資のうち、大部分が回収不能となるとの見通しを示した。

 

 同幹部は匿名を条件に「犠牲を払うことになるクライスラーのステークホルダーの1つは、米政府だ」と述べた。その上で「残念なことに、借入金に依存しすぎる資本構造を持つ会社に対し、融資が実施された」と述べ、当初から回収の見込みは低かったとした。


 政府は最終的に、クライスラーの金融子会社のクライスラー・フィナンシャルからは15億ドルの融資を、またクライスラー本体からは35億ドルの融資の一部を回収できるとみている。

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