オートトレーディングルフトジャパン㈱ AT-1旭川神居店 社長のブログ
エコカー 開発競争加速 [プリウス]
投稿日時:2009/03/27(金) 00:00
エコカー 開発競争加速
http://kuruma.hokkaido-np.co.jp/app/news.php?artid=N200903027
2009年 3月27日(金)朝刊
<王者>新型プリウスの試作車。燃費の大幅改善と加速性能を売りに、リーダーの座の死守を目指す
世界同時不況で、自動車販売が急速に落ち込む中、各メーカーは低燃費を売り物にした環境対応車(エコカー)開発に資源を集中、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)などを続々と発表している。国も、内需拡大と二酸化炭素(CO2)排出削減の一石二鳥を狙って、エコカー普及を後押しする構えで、激しい開発、販売競争が繰り広げられそうだ。
*HV
*ホンダ・インサイト 低価格で業界に衝撃
*トヨタ・プリウス 普通車感覚の3代目
ハイブリッド車(HV)は、一九九七年に発売されたトヨタ自動車のプリウスが長くリードしてきたが、ホンダが二月に発表した低価格のインサイトは発売一カ月で予想の三・六倍という一万八千台を受注した。迎え撃つトヨタは五月中旬に三代目の新型プリウスを発売する予定で、市場を主導する両者の熱い戦いが始まった。
HVは、エンジンとモーターの両方を動力源とする。走行状況に応じてエンジン(ガソリン)とモーター(電気)が切り替わるため、同クラスのガソリン車と比べて燃費効率は一・五-二倍向上し、CO2排出量も単純計算で三割以上減る効果があるとされる。
プリウスの場合、モーターが車を始動させるなどモーターの出番が多い。一方のインサイトは、モーターはエンジンの加速補助などにとどまり、主役はあくまでエンジンだ。
どちらも低燃費が売りで、新型プリウスは現行型のガソリン一リットル当たり三五・五キロから「一割程度向上した」(トヨタ)。インサイトはやや劣る同三十キロだが、「(試験環境とは異なる)実際の走行ではプリウス並みも可能」(ホンダ)という。
両者の差が出るのは発進時。プリウスはハンドル左のボタンを押すとモーターが作動、アクセルを踏むと静かにスタートする。インサイトはセルを回して始動し、ガソリン車の感覚に近い。
加速はどちらも、モーターがエンジンを助けるため、ガソリン車と比べ力強く感じる。
違いは停車時にも現れる。プリウスは低速走行時にエンジンが止まり、モーターのみで走行し停車する。インサイトは停車すると、自動的にエンジンが切れる「オートアイドルストップ」機能を装備した。
低燃費運転を促すため、双方ともメーターに工夫が凝らされている。インサイトは、燃費の良い運転なら画面が緑色、悪い運転なら青色に光り、エコ運転を葉っぱの数で採点してくれる。プリウスでは、アクセルの踏み込みや走行状態で刻々と変わる燃費が表示される。
インサイトが業界に衝撃を与えたのは、何と言っても、最低本体価格百八十九万円というHVの常識を覆した安さだ。これに対抗し、新型プリウスも「二百万円をわずかに上回る最低価格を設定する」(業界関係者)とみられ、競争は過熱しそうだ。
ホンダは九九年、初代インサイトを発売、プリウス以上の低燃費を実現したが、二人乗りで少量生産にとどまった。今回は「エンジンの技術を生かし、値段も高くない現段階で最善のHV」(同社)を目指して雪辱を期す。
一方で、昨年十二月にプリウスの累計売り上げが百二十万台を超えた王者トヨタも「ドライバーが違和感を抱かない普通の車」を目標に新型車を開発。さらに、年内に三車種を発売し、高級車レクサスのHVも来年の早い時期に市場に投入する。インサイトのような小型も計画し、攻勢を強める。
*EV*三菱自が7月発売
*クリーンディーゼル*「世界初」日産が発表
ハイブリッド車(HV)の次世代を担うとも言われる電気自動車(EV)も今年、市場に本格投入される。三菱自動車はi MiEV(アイミーブ)を七月に発売。走行中に二酸化炭素(CO2)を出さない車両として注目されそうだ。
i MiEVは四人乗り軽自動車に大容量リチウムイオン電池を搭載。フル充電で百六十キロ走行できる。家庭の百ボルト電源で十四時間、二百ボルト電源なら七時間で充電が完了する。
三菱自は「CO2発生は火力発電所で発電した時だけ」として、ガソリン車に比べ約70%のCO2削減効果があるとPR。同サイズの軽自動車と比べ、燃費は三分の一程度という。
今年は二千台の生産を予定。早期に一万台への拡大を目指す。二〇一一年までには、三菱自の製品をベースに新たな欧州向けEVを開発、仏プジョー・シトロエングループに供給する計画だ。
EVでは、富士重工業も「プラグイン ステラ」を同じく夏に発売。今年は百台の生産にとどまるが、来年以降の量産を準備する。
一方、排気中の窒素酸化物や粒子状物質を極限まで低く抑えたクリーンディーゼルでは、日産自動車が昨年九月に「エクストレイル20GT」を発表した。
日産のエンジンは、排気中のすすを99%取り除くフィルターと、エンジン内の窒素酸化物を、水と二酸化炭素、窒素に変換する触媒を採用。十月から義務付けられる排ガス規制(ポスト新長期規制)に対応した世界初のクリーンディーゼルだ。
また、三菱自は昨年十月、四年ぶりにディーゼルエンジンを搭載したパジェロを発表。こちらは現行の新長期規制に適合する水準の排ガス浄化を実現。一九九〇年代初頭以降、「空気を汚す」と締め出されてしまったディーゼルエンジンに“復活”の兆しも見え始めた。
*国も普及後押し*新年度から免税措置
今後のエコカー普及の鍵は、「買いやすさ」だろう。既存のガソリン車と比べれば依然割高なエコカーの普及を促進しようと、政府は、新年度から免税措置を導入する。
免税は3年間の特例措置で、今年4月以降に車両登録されるHVやEV、クリーンディーゼル車に対して、自動車重量税と自動車取得税が免除される。
インサイトの場合、重量税5万6700円と取得税5万1800円の計10万8500円が免除されるので、一層値ごろ感が出そうだ。
EVについては、経済産業省の購入費補助制度も適用される。電動車両普及センター(東京)に申請すると、同タイプのガソリン車との差額の半額が補助される見込み。
三菱自のi MiEVは発売価格を公表していない。関係者によると本体価格は400万円を超える見通しだが、補助制度を受けると300万円程度で購入できることになりそうだ。
自動車検査登録情報協会(東京)によると昨年3月末現在、HVは全国で約42万9000台(道内約1万5000台)、EVは約500台(同約20台)。全自動車のわずか0.5%程度だが、今年はエコカー普及への元年になるかもしれない。
*その他のメーカーの環境対応車
マツダ 水素自動車「プレマシーハイドロジェンREハイブリッド」のリース販売を25日に開始
スズキ 燃料電池車「SX4-FCV」を開発、昨年の洞爺湖サミットで出展。販売は未定
ダイハツ 軽のハイブリッド車「ハイゼットカーゴ」を2006年から販売
http://kuruma.hokkaido-np.co.jp/app/news.php?artid=N200903027
2009年 3月27日(金)朝刊
<王者>新型プリウスの試作車。燃費の大幅改善と加速性能を売りに、リーダーの座の死守を目指す
世界同時不況で、自動車販売が急速に落ち込む中、各メーカーは低燃費を売り物にした環境対応車(エコカー)開発に資源を集中、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)などを続々と発表している。国も、内需拡大と二酸化炭素(CO2)排出削減の一石二鳥を狙って、エコカー普及を後押しする構えで、激しい開発、販売競争が繰り広げられそうだ。
*HV
*ホンダ・インサイト 低価格で業界に衝撃
*トヨタ・プリウス 普通車感覚の3代目
ハイブリッド車(HV)は、一九九七年に発売されたトヨタ自動車のプリウスが長くリードしてきたが、ホンダが二月に発表した低価格のインサイトは発売一カ月で予想の三・六倍という一万八千台を受注した。迎え撃つトヨタは五月中旬に三代目の新型プリウスを発売する予定で、市場を主導する両者の熱い戦いが始まった。
HVは、エンジンとモーターの両方を動力源とする。走行状況に応じてエンジン(ガソリン)とモーター(電気)が切り替わるため、同クラスのガソリン車と比べて燃費効率は一・五-二倍向上し、CO2排出量も単純計算で三割以上減る効果があるとされる。
プリウスの場合、モーターが車を始動させるなどモーターの出番が多い。一方のインサイトは、モーターはエンジンの加速補助などにとどまり、主役はあくまでエンジンだ。
どちらも低燃費が売りで、新型プリウスは現行型のガソリン一リットル当たり三五・五キロから「一割程度向上した」(トヨタ)。インサイトはやや劣る同三十キロだが、「(試験環境とは異なる)実際の走行ではプリウス並みも可能」(ホンダ)という。
両者の差が出るのは発進時。プリウスはハンドル左のボタンを押すとモーターが作動、アクセルを踏むと静かにスタートする。インサイトはセルを回して始動し、ガソリン車の感覚に近い。
加速はどちらも、モーターがエンジンを助けるため、ガソリン車と比べ力強く感じる。
違いは停車時にも現れる。プリウスは低速走行時にエンジンが止まり、モーターのみで走行し停車する。インサイトは停車すると、自動的にエンジンが切れる「オートアイドルストップ」機能を装備した。
低燃費運転を促すため、双方ともメーターに工夫が凝らされている。インサイトは、燃費の良い運転なら画面が緑色、悪い運転なら青色に光り、エコ運転を葉っぱの数で採点してくれる。プリウスでは、アクセルの踏み込みや走行状態で刻々と変わる燃費が表示される。
インサイトが業界に衝撃を与えたのは、何と言っても、最低本体価格百八十九万円というHVの常識を覆した安さだ。これに対抗し、新型プリウスも「二百万円をわずかに上回る最低価格を設定する」(業界関係者)とみられ、競争は過熱しそうだ。
ホンダは九九年、初代インサイトを発売、プリウス以上の低燃費を実現したが、二人乗りで少量生産にとどまった。今回は「エンジンの技術を生かし、値段も高くない現段階で最善のHV」(同社)を目指して雪辱を期す。
一方で、昨年十二月にプリウスの累計売り上げが百二十万台を超えた王者トヨタも「ドライバーが違和感を抱かない普通の車」を目標に新型車を開発。さらに、年内に三車種を発売し、高級車レクサスのHVも来年の早い時期に市場に投入する。インサイトのような小型も計画し、攻勢を強める。
*EV*三菱自が7月発売
*クリーンディーゼル*「世界初」日産が発表
ハイブリッド車(HV)の次世代を担うとも言われる電気自動車(EV)も今年、市場に本格投入される。三菱自動車はi MiEV(アイミーブ)を七月に発売。走行中に二酸化炭素(CO2)を出さない車両として注目されそうだ。
i MiEVは四人乗り軽自動車に大容量リチウムイオン電池を搭載。フル充電で百六十キロ走行できる。家庭の百ボルト電源で十四時間、二百ボルト電源なら七時間で充電が完了する。
三菱自は「CO2発生は火力発電所で発電した時だけ」として、ガソリン車に比べ約70%のCO2削減効果があるとPR。同サイズの軽自動車と比べ、燃費は三分の一程度という。
今年は二千台の生産を予定。早期に一万台への拡大を目指す。二〇一一年までには、三菱自の製品をベースに新たな欧州向けEVを開発、仏プジョー・シトロエングループに供給する計画だ。
EVでは、富士重工業も「プラグイン ステラ」を同じく夏に発売。今年は百台の生産にとどまるが、来年以降の量産を準備する。
一方、排気中の窒素酸化物や粒子状物質を極限まで低く抑えたクリーンディーゼルでは、日産自動車が昨年九月に「エクストレイル20GT」を発表した。
日産のエンジンは、排気中のすすを99%取り除くフィルターと、エンジン内の窒素酸化物を、水と二酸化炭素、窒素に変換する触媒を採用。十月から義務付けられる排ガス規制(ポスト新長期規制)に対応した世界初のクリーンディーゼルだ。
また、三菱自は昨年十月、四年ぶりにディーゼルエンジンを搭載したパジェロを発表。こちらは現行の新長期規制に適合する水準の排ガス浄化を実現。一九九〇年代初頭以降、「空気を汚す」と締め出されてしまったディーゼルエンジンに“復活”の兆しも見え始めた。
*国も普及後押し*新年度から免税措置
今後のエコカー普及の鍵は、「買いやすさ」だろう。既存のガソリン車と比べれば依然割高なエコカーの普及を促進しようと、政府は、新年度から免税措置を導入する。
免税は3年間の特例措置で、今年4月以降に車両登録されるHVやEV、クリーンディーゼル車に対して、自動車重量税と自動車取得税が免除される。
インサイトの場合、重量税5万6700円と取得税5万1800円の計10万8500円が免除されるので、一層値ごろ感が出そうだ。
EVについては、経済産業省の購入費補助制度も適用される。電動車両普及センター(東京)に申請すると、同タイプのガソリン車との差額の半額が補助される見込み。
三菱自のi MiEVは発売価格を公表していない。関係者によると本体価格は400万円を超える見通しだが、補助制度を受けると300万円程度で購入できることになりそうだ。
自動車検査登録情報協会(東京)によると昨年3月末現在、HVは全国で約42万9000台(道内約1万5000台)、EVは約500台(同約20台)。全自動車のわずか0.5%程度だが、今年はエコカー普及への元年になるかもしれない。
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